《1枚の写真ではじまる12人の義歯臨床》

《1枚の写真ではじまる12人の義歯臨床》 村岡秀明 編著 デンタルダイヤモンド出版

日本で著名な総義歯 臨床医が12人がそれぞれの総義歯に対する思いや作製方を書いてあります。一人5ページ以内で書かれています。5ページだと深い内容は書かれていませんが一人一人の先生が総義歯の大切なポイントが書かれており、中にはマニアックな考え方もありますが、それも含めておもしろいと思います。

この本を読んで、興味のある先生があれば、その先生の追っかけにになる機会になるかもしれません(笑)

私的には、染谷成一郎先生のフラビーガム症例の考察がおもしろく読ませていただきました。

日本には沢山のすばらしい臨床歯科医がいます。匠の技で作製される先生のいます。専門書を読んだり、講習会に参加しますと、明日からすぐに臨床に取り入れられそうですが、そうも行きません(汗)やっぱりそれなりの結果を出すには、沢山の経験や失敗を重ねる事が大切です。もちろん向上心も大切です。

この材料を使用すれば・・・完璧!、この機材で作製すれば・・・簡単! なんて甘い言葉にだまさせないように(笑)総義歯の道は険しいと思います!!

でも、好きこそものの上手なれですからね(笑)

第2回 医療管理講習会

24日午後から札幌で行われた第2回 医療管理講習会「明るい未来への歯科医院再興術」と題した講習会に参加してきました。

当日はもう三月下旬なのに札幌は雪で開演のぎりぎりに間に合いました(汗)

この講習会は去年の8月に第1回が行われ、講師は同じ 東京で開業の井荻歯科医院 高橋英登先生と井荻歯科医院 歯科衛生士 角田 裕美先生です。

今回も高橋先生のエネルギッシュな講演に明日からの診療のポイントや考えから、診療に対する心持ちを教えていただきました。また、歯科衛生士の角田先生からは患者さんのために何が出来るのか?そして、患者さんに対するアプローチ方法、歯科衛生士の自立等を教えていただきました。

高橋先生の病院は数十名の医療従事者が勤務しており大変大きな病院です。また、東京の厳選区でトップに君臨している先生です。講演は、毎回のごとく時間が足りなくて残念ですが、次回に期待です。5時間以上は最低必要な感じがします(笑)今から第3回が楽しみです。

《写真でマスターする顎関節症治療のためのスプリントのつくり方・つかい方》

《写真でマスターする顎関節症治療のためのスプリントのつくり方・つかい方》 鱒見進一・皆木省吾 編著 ヒョーロン出版

スタビライゼーションスプリント(主に顎関節症に使用されるマウスピース)に作製方法・調整方法がビジュアルを中心に書いてあります。上顎スプリント・下顎スプリントにそれぞれ書いており歯列叢生(2級・3級・クロスバイト咬合)時のスプリントについても書いており勉強になります。しかし、患者臨床例は載っていないのが残念ですが、本の題名のごとく作製方・技工方に特化した内容だと思います。写真が中心ですので、見やすく、読みやすいと思います。

現在、私の臨床では顎関節症治療にはTCH是正(歯列接触癖)治療を中心に行っていますがスプリント治療を行うこともあります。また、両治療を併用して行うこともあります。

顎関節症は要因は、1つだけで無く、様々な要因が関係していると言われています。かみ合わせ・姿勢・生活習慣・ストレス・・等。その複合的な要因を少しずつ排除しながら経過観察する治療法が現在の主流となっていると思います。また、現在、顎関節治療は不可逆的な治療は否定させつつあります(諸説ありますが・・・)、しかし、第一選択は可逆的な治療だと思います。

 

《新 楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー》

《新 楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー》 小林千尋 著 医歯薬出版

9年前に出た《楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー》のリニューアルバージョンです。ページ数も186ページから248ページに増えております。(価格も・・・)

わたしも9年前、まだ歯内療法はよく分からず先輩から薦められて読んだのがこの本でした。

今回は、前回から大幅リニューアルされており、読み応えがあります。小林先生は、デンタポートやトライポート(根管治療器)の作製者でもあり、デンタポートは世界的にも認められています。小林先生の著書は、術式等の紹介だけで無く、ご自身が経験して、これは良い・これは難しいといった個人の意見が書かれており、先生の考え方ものぞき込み事が出来、読んでいてもおもしろいです。根管洗浄の大切さ・難しいさを勉強させていただきました。根管洗浄機器の発売を楽しみにしております。

歯内療法を保険治療で金銭的な利益を上げるのは難しい治療と言われています。また、歯内療法は歯科医師の良心とも言われています。過去のブログにも書きましたが、この歯内療法は建築に喩えると土台作りです。見た目が良くても、土台がしっかり治療しないと細菌による汚染されすぐに崩れてしまいます。だから、手は抜けません!!

また、良い治療結果を導くために、歯科治療はしっかりと見えなくてはいけません!私も、10年前は感覚的な治療法を行っていたこともあります。しかし、現在では10倍の拡大鏡を使用し(通常の歯科治療が2~3倍ぐらいの拡大で行っている先生が多いと思います)、しっかり肉眼で確認し精密治療を心がけています。