「This is Suction Denture !」

「This is Suction Denture !」佐藤勝史 著

「What is Suction Denture ?」に続く佐藤先生の吸着義歯専門書の第二弾です!

今回も前回に続きビジュアルブック的な専門書になっています。読み込むといった感じではなく美術書を見る感覚です。前半は前回の復習を中心に後半は今回新規の内容になってます。

顎堤形態や舌の位置は千差万別です。吸着が得られないときの追加テクニックが満載です。私的には全8章の中の

6 アドバンス印象法
7 吸着下顎総義歯床形態の特徴
8 吸着下顎総義歯の浮き上がりの原因

の内容がわかりやすく下顎総義歯浮き上がりの原因の唇側の形態に対する対応方は大変勉強になります。義歯好きには是非手にとって頂きたい内容かと思います。美しい・機能的な義歯写真がたくさん見ることができます。勝手に第3弾の咬合編を期待します(笑)

《限られた時間・限られた器材で行う訪問診療における義歯修理のコツ》

《限られた時間・限られた器材で行う訪問診療における義歯修理のコツ》 竹前健彦 著 医歯薬出版

義歯好きにはたまらない本が出ました。何気なく注文した本ですが面白くて1日で最後まで読んでしまいました。けして訪問診療だけでなく普段の保険診療にも十分役立てることの出来る内容となっています。ところどころにエビデンス的な内容が書かれていますがそれより竹前先生の長い臨床経験から得られて短時間に効果的な義歯の調整・修理法が書かれています。まさに《コツ》です!総義歯に始まり、パーシャルデンチャーまで実にわかりやすく書かれています。ところどころ そうだよねぇ~・なるほど~!的な内容が盛り沢山です。竹前先生が往診で早く患者さんに食べられるようにすることが命を救うこととを考え懸命に治療している姿が浮かびます。普段の義歯調整治療でつまずいたり、新製まで6ヶ月待てないときは答えがあるかもしれません。私の中で久々のおすすめ本です。88ページの厚い本ではありませんが内容はかなり濃いと思います。ただ残念なのが2色刷りの本ですので写真が鮮明ではなくカラーでみたかったです。パート2に期待です。

《ゼロから見直す根尖病変》

ゼロから見直す根尖病変 診断・治療コンセプト編・基本手技・難症例へのアプローチ編  倉富覚、 著 (医歯薬出版)

専門書レビューです。2冊出ていますので合わせて上下巻って感じです。近年の歯内療法専門書では一般開業医にとって大変勉強になる内容盛りだくさんのオススメの専門書となります。近年のたくさん出ている歯内療法専門医による著書は、エビデンスにもとに最新情報を網羅していますが、一般開業医にとって診療時間・診療コストをすべてを導入することは難しく感じることもあります。

今回、倉富覚先生は一般開業医とし下川公一先生のお弟子さんで、下川エンドのコンセプトを継承した診療をしています。(前にレビューした《「下川エンド」20年の臨床》を書かれた木村英生先生も同様です)。この専門書の所々に下川先生との交流が書かれておりその関係がわかります。

症例写真や模式図を多く・大きく使用し視覚的に頭に入りやすく読みやすい書になっており、各章の最後にその章のポイントもまとめられており確認しやすいです。また、先生の趣味かもしれませんがドラマのセリフのパロディや正義の味方(免疫担当細胞)を仮面ライダーで表現したりと楽しく読み進めることができます。中には何のパロディなのか分からないものもありましたが・・・(笑)

根管治療の成功には一つずつのステップは省くことなく確実に行っていくことが必要と感じています。その中には診査・診断、解剖、インスツルメントの使用方法等も含まれます。その重要さを教えてもらえます。最後には外科や再植、経過観察のことまで書かれており、歯内療法のほぼすべてが網羅されています。(今回の本の2冊は題名にあるように根尖病巣を伴う歯内療法をターゲットにしていますので覆罩等の歯髄保存治療や抜髄については書かれておりません。)

1度の読解では理解できないこともあるかもしれませんが私たちは歯科医師は学生ではありませんのでいつでもカンニング(確認)が診療中も可能です。診療中 頭のなかに?が出た時は一度 解剖の章やアクセスキャビティの部分を確認すると答えが出ることもあるとと思います。私もカンニングしまくりです(笑)

歯内療法初心者の先生や苦手な先生は是非読んでみてください。診断・治療コンセプト編だけでも読んでいただけると自分の手技をパワーアップできると思います。

 

「かみつきがいい」入れ歯

《「かみつきがいい」入れ歯 かめない義歯のイニシャルプレパレーション》 河原英雄 著 生活の医療社

久しぶりの専門書レビューになります。先日、福岡にてセミナーを受講してきた河原先生の専門書です。

旧義歯をリマウントし咬合調整する方法がきめ細かく書かれています。前書の『保険総義歯のススメ』は新義歯制作を中心に書かれていますが、今回は旧義歯治療を中心になります。まさに私にとって待望の専門書となります。(発売日に購入してしまいました)特に往診診療では治療期間をよりクイックにする必要が多く、新義歯作成では時間がかかることが多いと思います。この河原先生が提唱する方法では最低数時間で義歯治療が終了する可能性もあります。

専門書に中には、バランスドオクルージョンについて、口腔外のみ義歯の咬合調整が不可能の理由、総義歯・部分床義歯でのリマウント及び咬合調整、フードテストについて、先生の門下生の症例(ムービー付き)が書かれています。

特に高額な道具を必要としなく、唯一専用の咬合器が必要となりますがそれほど高額ではありません。今後低価格の咬合器も発売予定のようです。

難しいことを考えず、自己流に脚色しないで素直に取り込むことが成功に近道です。

往診・長期通院不可の方にはリマウント法が的確な義歯治療が可能かと思います。試みたい方はまずはこの専門書を熟読し、セミナーに参加ください。勉強になります。