〈部分床義歯の設計と咬合 インプラントより義歯で治す31提言〉 丹羽克味 著
「咀嚼・咬合論」の作者 丹羽克味 先生の義歯の専門書です。
2011年に総義歯の専門書が出ており、その第2弾の局部床義歯編です。総義歯の専門書はニーズもあることで専門書は多くありますが、局部床義歯になりますと少なく感じます。実際の臨床では局部床義歯治療の方が多いのではないでしょうか?
この専門書は、図が多く、提言ごとに章が分かれており臨床医には読みやすい専門書になっていると思います。31の提言として丹羽先生が様々なアドバイスが満載です。実際の臨床を沢山行った結果得られた内容が多く、臨床医には納得する内容もあり勉強になるのではないでしょうか。
本の中で先生は、装着後の咬合のチェックや義歯の適合を必ず長期的・定期的に行う必要を強く訴えております。私の同感です!義歯は生涯無調整は不可能と考えていますし、装着時問題がなくても数ヶ月後・数年後には必ず修正が必要と思います。
丹羽先生の咬合論(リンガライズドオクルージョンとグループファンクションを中心とした咬合論)には賛否両論あると思いますが、特に義歯の咬合はシンプルに考えることも必要と感じています。患者さんが噛みやすく、歯科医師が確実に付与しやすく、経過を観察しやすい咬合が適切な咬合ではないでしょうか?皆様はどう考えますか?
設計を技工士任せにするのではなく口腔を診査を直接することの出来る歯科医師が積極的に行う事が必要と思います。たとえ、保険の義歯であろうと・・・。