虫歯の原因になりにくいだけでなく、虫歯を予防することが期待されている甘味料のキシリトール。しかし、国際NPO「コクラン共同計画」の研究グループは、これまでに発表された研究結果をまとめて評価したところ、「キシリトールの虫歯予防効果を示す明らかなエビデンス(根拠となる研究結果)はなかった」と、同団体機関誌「コクラン・ライブラリー」に発表した。
キシリトールの効果は日本でも注目されており、キシリトールを含むガムなどで「虫歯の原因になりにくい」「歯を健康で丈夫に保つ」との特定保健用食品(トクホ)の表示が許可されている。しかし、今回の研究グループは「キシリトールには虫歯を予防する効果があると考えられ、さまざまな製品に添加されてきた。しかし、その有効性を示すエビデンスは明らかでなかった」と説明している。
研究グループは、1991~2014年に報告されたキシリトールによる虫歯予防効果を検討した研究(ランダム化比較試験)10件、計5,903人分のデータを評価した。しかし、ほとんどの研究は何らかの偏りがある可能性が高い、つまり研究の質が低いと判定された。
評価の結果、キシリトールを含む製品(歯磨粉、ガム、シロップ、菓子、歯磨きシートなど)の虫歯予防効果は、乳児と大人に対してはエビデンスが示されなかった。
一方、4,216人の子供が対象の研究では、キシリトール10%+フッ素配合の歯磨き粉を2.5~3年間使ったところ、フッ素のみ配合の歯磨粉よりも虫歯が13%抑えられていた。ただし、この研究結果も偏りがある可能性が高く、研究グループは「質の低いエビデンス」と評価している。
私もキシリトール伝説は信じておりました。ビックリです。今後の続報に注文です!三嶋直之