穿通後、ゲイツドリルを行い、最終作業長を決めてからの根尖1/3の拡大です。
基本的に根尖部を30番もしくは35番拡大を目指します。(下顎大臼歯遠心根以外は生理的根尖孔の大きさは#30以下と言われています)また、テーパーは根充と洗浄を効果的に行うため06テーパー以上は必要かと思います。
現在、私は、waveoneの赤(#25 08テーパー)もしくはRECIPROCの赤(#25 08テーパー)を使用し、荒削りし(作業長まで拡大出来てしまうことも多いです)、その後、ボルテックスブルー(日本未発売)の06テーパー#25・#30・#35と作業長まで拡大していきます。
穿通とゲールドリルのおかげで、#20ぐらいのファイルはほぼ無抵抗で拡大できる事がわかると思います。この手技になってから私はニッケルチタンファイルは破折はゼロです。ニッケルチタンファイル自体の寿命も延びると思います。強い湾曲根管では04テーパー #15から順に#35までそして06テーパー#15から#35まで拡大することが最適ではないでしょうか?!
この数年、1本ファイルのみでのニッケルチタンファイルで拡大形成システムがCMされましたが、穿通と根管歯冠側 1/2もしくは2/3以上の拡大が終了していなくてはファイル破折の可能性が高くなりますし、根管自体のクラックの原因にもなりかねません。
拡大中はヒポクロを根管内に浸しながら拡大し、時々EDTAを使用しています。洗浄をこまめにする事が成功の一つの要因になっていると思います。ヒポクロは10%以上の高濃度物は必要ないと思いますが、いつも新鮮な薬液で根管が満たされていることが必要と思います。古いヒポクロは劣化して%が低下している物もありますので注意が必要です)EDTAは必要以上の脱灰を予防するためにも使用時間には注意が必要です)また、上顎大臼歯などMB2の可能性があっても、まず、他表的な3根管を拡大後、他に根管が隠されていないか確認します。これは闇雲に拡大するのではなく、確実な根管を確実に根管拡大する事により根管ロードマップが見えてきて、他の根管も見付けやすくなると思います。次回は洗浄について、このことが最重要なのかもしれません!!