近い将来、失われた歯がよみがえる?歯の成長を促す遺伝子を特定!

大人になって抜けたり、欠けてしまったりした歯はもう戻らない。しかし、歯の成長に関わる遺伝子が発見されたという研究結果が発表された。

この研究に携わったのはアメリカのジョージア工科大学とイギリス、キングス・カレッジの研究者たち。彼らはアフリカのマラウイ湖に住むカワスズメと呼ばれる魚に注目。

歯が抜けてもすぐに新しい予備の歯がスライドする種と、食べるものが異なるために歯や味蕾をほとんど必要としないカワスズメを掛け合わせて、ハイブリッドを作り出した。

もともとこの魚にも舌はないが、歯と同様に血管や器官の上皮組織で味蕾が成長することでも知られている。研究者らは、ハイブリッド種が胚から成長する際に生じる、300種以上の異なった遺伝子を解析。

ゲノムを追跡することで味蕾の成長の原因となる遺伝子を分類することに成功し、同時にそれらが歯の成長を促すものと一致したことが判明した。

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さらに研究者はマウスを使い、上皮組織の遺伝子に同様の違いがあるかを見極めるために調査。その結果、ほんのわずかな遺伝子が歯や味蕾の成長を促す役割を果たしていることを突き止めた。

そしてこれらを結論付けるために2種類の化学溶液を作成し、カワスズメの胚にどう影響するかを観察。予想した通り、感覚器官を促す溶液に入った胚はやがて味蕾を形成し、歯の構造に関する溶液の中の胚は、やはり予備の歯を生み出すことが確認された。

研究に携わったTodd Streelman教授は報告の中で「どうやら歯や感覚器官の構造に対する共通の上皮細胞の役割を変化させるような、発達を促すスイッチがあるようです。しかもそれらは早い段階から、構造が非常によく似ています」と語っている。

報告では将来、歯の再生が可能かどうかは一切触れられていない。しかし成長を促す遺伝子が特定されれば、いつかその仕組みが応用され、再生できる日が来るかもしれない。(インターネットニュースより)