《エンジンファイル ON》 阿部 修 著 (デンタルダイヤモンド社)
歯内療法における根管形成時のファイリングをニッケルチタンファイルを用いて使用する方法の解説書です。私も9割がニッケルチタンファイルによる根管形成ですが、どんな治療法にも長所と短所があります。ニッケルチタンファイルの場合、金属の性質上、突然破折することと手用ファイルと比べて高価であることでしょう。この本は、すべてをニッケルチタンファイルで行うのではなく、手用ファイルによる道筋を作ってからのニッケルチタンファイルに移行し破折の危険性を回避しています。適材適所に治療道具をうまく使い分ける事が必要です。阿部先生はもとパイロットという歯科医師としては珍しい略歴をおもちです。本文にも両職業についてコラムがあります。私の経験上、ニッケルチタンファイルに変えてから術者のストレスはかなり削減したことは確かです。しかし、ルールは守って確実な治療を。