「下川エンド」20年の臨床 長期症例でみるエンド治療成功への道 木村英生 著
前にもブログで書きましたが消えてしまいましたのでもう一度書きます。それぐらいおすすめです。このブログを見た木村先生のからメールも頂いてしまいました。
前書いた内容は覚えていませんので内容は変化があると思います。ご了承ください。
この本の見所は、なんといっても木村先生の診療に対する姿勢です。素晴らしいを超えて尊敬の域に達していると思います。20年間の間にその1本の歯を保存することに集中し、自分の臨床結果に厳しい条件をつけ合否を出し、詳細な経過を治療・観察し報告しています。しかし、木村先生は歯内療法専門医ではなく保険医ですので驚愕です。
治療方法詳細は、現代の歯内療法専門医とは考え方や方法が異なる部分もありますが、先生の臨床経過・結果をみれば間違っていると言える先生は少ないのではないでしょうか?私レベルでは先生のような結果が共わらないこともあります。
木村先生曰く「信頼できるエビデンスは臨床結果そのものである」と言っています。現代の歯科界の中でエビデンスという言葉がひとり歩きして絶対的な言い方をする先生もいますが、我々、歯科医師は人間という極めて繊細な生物を治療するにあたり、局所的ではなく全体として診査・診断・治療していかなければなりません。そのため、さまさまな経験から学習することも多く、ゲームのような攻略法では難しい事に出会います。また、我々歯科医師も人間ですので個々の技量・知識には差があることは当たり前で、自分の診療に合格点が与えられなければ反省・勉強しなければなりません。エビデンスも重要ですが自分の診療を自分のレベルに合った診療体制を整えることも大切かと思います。
多数の20年間の貴重な症例を流し読みするだけでも価値はあります。(オールカラー)自分で長期的な歯内療法を見ていく機会はなかなか無いかもしれません。お勧めです!