あくまでも歯科医師向けの話になりますがSEC1-0について幾つか質問頂いたので私なりの考えを書きたいと思います。(過去に書いた内容と重複があると思います)
この使用方法はロサンゼルス開業の歯内療法専門医の清水藤太先生から教えていただいた方法ですのでSEC1-0の開発者 東海林先生とは使用方法は違うかもしれません。
使用エンジンは等倍コントラを使用して、回転数最大15000回転とします(通常は10000回以下でOK)。できれば注水機構のついたカボ仕様がオススメです。
使用するファイルがKファイル #8 #10 #15 のみ(特に#8は惜しまず滅菌新品を使用することがポイントです) #20以上のファイルングは抜髄症例においては根尖部を破壊しかねます!
抜髄症例になりますが根管孔が確認できれば(もちろん、感染歯質は染め出し液などを使用して完全に除去が望ましいです。除去しないでファイルを入れることはバクテリアを押し込んでいると同じですので)、手指で#8を回転せず(指の腹で押す感じ!)にどこまで入るか確認します。
その時にメーターを付けて根管のどのくらいまでファイルが到達出来たか確認します。ファイルには、あえてプレカーブは付けずに新品の#8Kファイルを入れます。この時点で穿通できればアペックスからファイルを1.5ミリほど出した長さでSEC1-0で#8 #10 #15と進みます(清水先生は3~4ミリ根尖から出すとのことですが私はそこまで出しません。怖がりなもので・・・(笑))
回転数は5000~10000回転で注水下で使用し、ファイルに抵抗感がなければ15000回転まであげて軽く上下運動します。コツとしてはファイルの先が根尖から出た状態のままSEC1-0を使用し、激しい上下運動は必要なくSEC1-0にお任せします(SEC1-0自体が0.4ミリの上下運動していますので)
手指ファイルで穿通が不可能の場合、その止まったところの長さを確認し、ファイルを根管口にさしたままSEC1-0を口腔内に持って行き装着(上顎大臼歯部はむずかいいこともありますのでファイルを口腔外でSEC1-0に装着して持っていきます) 注水下で(水が潤滑油・洗浄効果もあり穿通しやすくなる感じがします) ゆっくり回転数を上げていきます。引っかかりや強い抵抗がある場合は新品の#8に交換すると穿通可能なことやファイルが引きこまれて穿通できることも多いです。穿通出来れば上記の方法で#15まで拡大します。もし、新品#8で穿通不可能場合は、その位置を作業長とします。EDTA液などを使用して再度穿通トライするのも良いと思います。穿通しないからといって力任せは危険だと思います。
SEC1-0の使用する理由は、根管のデリケートな根管形態を壊さずに拡大出来る事、穿通ができればゴールが見つけられたと同じですので、その根管形態のまま根充しやすい形態に整えるだけです。(洗浄効果のことも考えると6テーパー#35~#40ぐらいの拡大が必要ではないでしょうか?!) SEC1-0は0.4ミリの上下運動と360度自由回転しますので、3次元的な複雑な根管に追随しやすく、そのため2次元的なプレカーブを付与しなくても(初心者にはプレカーブの与え方や挿入方向が迷うことがあると思います) 根管から抜き取ったKファイルは独特な3次元的な湾曲が目で確認できると思います。ある意味SEC1-0は「自動根管探索穿通機」といったところでしょうか?(笑)(2015年9月 文章修正)