永久歯が生え替わる時期になっても一部の歯が生えてこない。そんな先天性欠如歯の人は珍しくありません。形成異常の一つで病気で有りませんが、永久歯の数が足りないと、噛みあわせや顎の成長などに影響が出る場合が指摘されています。
日本小児歯科学会の調査によると、7歳以上の子ども1万5544人のうち、約1割にあたる1568人は永久歯が1本以上足りなかった。第二小臼歯と側切歯がない場合が多く、乳歯が足りない子どもも0・5%程度いた。
日本大学歯学部歯科矯正科 田村隆彦先生によると、「先天性欠如歯は遺伝的要因が強く、初期から歯の原基が形成されないか、原基が形成されていても、発熱や服薬など何らかの原因により形成が阻害されると考えられる。最近では、1~2本足りないというレベルではなく、6本以上足りない人も見受けられます。放置しておくと、歯の間に隙間が空くことに加え、対合歯の異常萌出や、咬みあわせが深くなることで顎関節症に繋がる可能性もある」と注意を促しています。
乳歯が永久歯に生え替わる時期は6~12歳。先天性欠如歯は、本人や家族が気づかないことも多く、虫歯のレントゲン治療で発見されることもしばしばです。深刻なケースでは矯正が必須になることもあり、その後、ブリッジやインプラントなどの治療が必要になることもあります。
早期発見には、現在、レントゲンもしくはCT等での撮影でわかることが多いです。また、ご両親の遺伝的な要因も考えられます。親知らずも同様に生えてこない若者が増えています。是非、小学生時に一度レントゲン撮影を行い、検査し、大人の歯が全部で何本(通常28本)有るが主治医に確認してみて下さい。対応は早めの方が良いと思います。