《誰でも治せる 歯内療法》

《誰でも治せる 歯内療法》澤田則宏 吉川剛正 著(クインテッセンス出版株式会社)
東京で歯内療法専門医として開業されている澤田先生の著書です。誰でも治せると書いてありますが、本の症例はすべてマイクロスコープを使用したものです。歯内療法の難症例集な感じです。所々に基礎的な治療方法が記載されていますが、他院から来た患者さんに対する対応方法がみられます。また、メンタルな部分にも記載があるのがおもしろいです。一般保健臨床家では一人の患者さんに1〜2時間付きっきり治療は現実的ではありませんが、対応法は勉強になります。わたしも5倍の拡大鏡を使用していますが、肉眼ではこの治療法は不可能だと思います。また、歯牙別の基本的な歯内療法の記載もほしいところです。

《若手歯科医師のための臨床の技50 総義歯》

《若手歯科医師のための臨床の技50 総義歯》 村岡秀明著(デンタルダイヤモンド社)
年間の講習会の回数は相当数だと思われる義歯治療で有名な村岡先生の最新の著書です。先生は現在コピーデンチャーを用いての総義歯作成法を勧めています。先生の講習会の特徴でもあるライブ(実際の診療中の映像)を中心にまとめられています。私のような臨床家はうんちくも必要ですが、手が動かなければだめです。著名な先生が実際の臨床でどのように動きやテクニックで行っているかは大変興味のあるところです。そこがこの本では見ることができます。臨床では足したり引いたりの試行錯誤の治療の必要性や大切なポイントがきれいにまとめられていると思います。

《軟化パラフィンワックス臼歯部咬合法って何?》

《塩田博文の軟化パラフィンワックス臼歯部咬合法って何?》 塩田博文著 (デンタルダイヤモンド社)
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、《軟パラ》の本です。義歯治療におけるリマウント法の変法といったところでしょうか?特に総義歯治療では咬合が成功の有無といって良いほど重要な項目です。口腔内での咬合調整では一見咬んでいるようですが、実は見かけだけで義歯が回転移動をおこなっているだけでずれていることが多いと思います。リマウント法における咬合調整の効果は大変高いと思います。本は実症例を通してさまざまな調整法や改造法を提示しています。また、咬合高径は身長との関係性にも書いてあります。技工が絡んできますので歯科技工士との連携は重要だと思います。塩田先生の著書の特徴ですがコラムが多く、大変面白く読むことが出来ます。

《歯科臨床の7つのツボー100選ー》

《歯科臨床の7つのツボー100選ー》上田 秀朗著(クインテッセンス出版株式会社)
臨書・勉強・開業・経営・患者・スタッフ・若手育成の7項目に関し、著者の考え方を項目別に書いてあります。90ページの中身はほとんどがイラストで1時間程度で読める内容だと思います。しかし、一つ一つの内容は深く勉強になります。しかし、4000円の価格から考えるともう少し濃い内容でと考えてしまいます。(あえてそうしているかもしれません)さらっと読んだり、復唱して毎日の目標にするには良いのではないでしょうか。