《誰にでもできる 下顎総義歯の吸着》

《誰にでもできる 下顎総義歯の吸着》 阿部二郎 著(ヒョーロン)
下顎総義歯の吸着に焦点を当てた総義歯作製の本です。吸着のための解剖・咬合・印象を中心に書いてあります。また、下顎総義歯の吸着の必要性にもふれています。表題の《誰にでもできる》とありますが、読んだらすぐにできるという訳ではありませんが、読者は考え方には共感できるところが多いと思います。特に口腔解剖と筋肉・骨との調和とバランスについて。総義歯に求めるニーズも年々と高くなっているような気がします。しかし、歯科医師の技量がそれと共にはすぐには向上しません。しかし、なぜだ?・どうしてだ?っと考えることが次のステップとなると思います。総義歯の世界は奥が深いですが、おもしろさもあると思います。自分の目指す総義歯は〜であるっというビジョンを持つことが必要と考えます。

《処置別・部位別 歯科局所麻酔の実際》

《処置別・部位別 歯科局所麻酔の実際》吉田和市 編著(クインテッセンス出版株式会社)
歯科診療において、局所麻酔は日常行われる診療行為である。患者さんの中には歯科診療の麻酔が苦手という人も多いのではないでしょうか。この本は、麻酔学というよりの実際の局所麻酔におけるテクニック集といったところでしょう。抜歯・抜髄・インプラント・小児等について臨床写真を中心に解説してあります。写真はオールカラーで麻酔の粘膜の状態も解りやすいです。方法論が中心のため偶発事故時の対処法などの記載は少ないです。また、局所麻酔アレルギーに関する記載が浅い感じはします。しかし、日常麻酔の無痛麻酔の勘所は読み取れるのでないでしょうか。

《咬み合わせ臨床講座・(続)咬み合わせ臨床講座》

《咬み合わせ臨床講座・(続)咬み合わせ臨床講座》 白石一男 著(日本歯科新聞社)
先週、講習会に参加してきた白石一男先生の著書です。歯科診療は咬み合わせが最も重要とさまざまな症例を通して語りかけています。有歯顎から無歯顎までいろいろな症例が観ることが出来ます。また、テクニックを連続写真にしてありライブ感があります。1999年2001年と少し古いですが内容は最新です。だた、連載をまとめたものですので、書き下ろしではありません。その後先生の著書がありませんので(連載はあります)、貴重な専門書です。咬み合わせ臨床講座の本は現在絶版です。(続)咬み合わせ臨床講座は購入可能です。

《イラストでわかる 有病高齢者歯科治療のガイドライン》

《イラストでわかる 有病高齢者歯科治療のガイドライン》 西田百代 著(クインテッセンス出版株式会社)
私たち歯科医師は口腔は体の一部と解っていながら案外全身の疾病に関して疎い時があります。また、近年は高齢者の病気は複雑化しており、さまざまな治療や投薬を受けている患者さんも増えています。いざ勉強しようとしてもなかなかコンパクトにまとめてある本は少ないのではないでしょうか。今回の本はそんな方におすすめです。16章に分けそれぞれの疾患について書かれています。また、歯科治療との関わりの記載があり勉強になります。イラストも多く見やすいと思います。ただし、2色刷ですので、症例写真はなく、すべて模式図やイラストによるものです。これですべてとは言えませんが必要事項が沢山書いてあります。