《治療用義歯を応用した総義歯の臨床テクニックーデンチャースペースに適合した総義歯の作製法ー》監修 加藤武彦 (株式会社トクヤマデンタル) 今回はDVDです。DVDは本では理解が難しいテクニックが動画として勉強できることは嬉しいことです。100分に及ぶ内容に総義歯作製を初診時から治療義歯を経て完成義歯までの流れが解ります。また、患者さんとのコミュニケーションの取り方も勉強になります。症例は上下顎とも難症例の上顎フラビーガム・下顎の顎堤吸収の大きな状態です。特殊な材料を使用せずに的確なテクニックとポイントを押さえた治療は驚愕です。1回見ただけでは理解は難しいと思います。内容が充実しているのに臨床DVDとしては低価格なのも共感します。贅沢を言えばもう一症例観たいところです。
「専門書レビュー」カテゴリーアーカイブ
《日常歯科臨床のこんなときどうするー口腔外科編ー》
《日常歯科臨床のこんなときどうするー口腔外科編ー》朝波惣一郎 笠崎安則著(クインテッセンス出版株式会社)
日常診療において緊急を要する治療や手に負えないような治療に遭遇することは少ないものである。しかし、絶対に起きない保証はない。そのときに冷静に対応するのが歯科医師の役目である。この本は日常診療で起こりうる内容(外傷・損傷・出血・異物迷入・歯性感染症・誤嚥等)を記したものである。初診時の写真と状態とその治療法や対処法について臨床的に書いてある。実際、私も本の内容の症例に出くわしたこともあります。一つ知識があることにより冷静に対処ができます。口腔外科の教科書に載っている内容を臨床的に紹介している良書である。
《チャアサイド・介護で役立つ 口腔粘膜疾患アトラス〜どこで見わけて、どう対応?〜》
《チャアサイド・介護で役立つ 口腔粘膜疾患アトラス〜どこで見わけて、どう対応?〜》 中川洋一 著(クインテッセンス出版株式会社)
歯科医師の仕事は、歯牙のみが対象と思っている患者さんもいます。歯科医師の仕事は口腔粘膜にまで及ぶのです。しかし、口腔粘膜疾患に関してすこし苦手意識をもった先生もいるのではないでしょうか?また、往診で高齢者の口腔粘膜状況を把握することは必要です。この本は治療が必要なもの・経過観察が必要なもの・治療を必要としないものに分類してあります。各病気について見開きで紹介しているため、ちょっとした診療の間に確認することもできます。病変について・臨床所見について・治療についてが端的にまとまっています。また、写真も豊富だと思います。すべての病名には送りがながついており、漢字読みが苦手な方も大丈夫。一般臨床医は、粘膜疾患に関し、自分で治療を行うかどうかではなく、まず、治療の必要性があるかないかの診断力をつけることです。
《パーフェクト歯内療法》
《パーフェクト歯内療法》高島憲二 著(デンタルダイヤモンド社)
この本は、何しろ作りが綺麗です。歯科専門書は教科書的な堅い作りが多いのですが、この本は本としてのデザインは飛び抜けているのではないでしょうか。内容は、手用ファイルを中心位、各歯牙別に根管治療を詳しく記載されています。この記載されている歯内療法がスタンダードと思います。根管治療初心者や我流のかたは是非読んでいただきたい内容です。必ず、根管治療がレベルアップすると思います。臨床医が臨床医の為に書かれた臨床医向けの本だと思います。