《村岡です。》

《開業医のための実践デンチャーシリーズ 村岡です。》 村岡秀明著 デンタルダイヤモンド社

かなり奇抜なタイトルですが、内容も村岡先生らしい内容になっています。このシリーズはデンタルダイヤモンド社から今年から始まったシリースで第1弾が塩田博文先生の《義歯力》(私は未読ですが・・)、今回第2弾が村岡秀明先生です。

今月、参加した村岡先生の講習会でも話していましたが本の副題に《総義歯22世紀への提言》とついていて村岡先生曰く「私は22世紀には生きていないけどね!(笑)、でも22世紀でも総義歯は基本的に変わらないよ!」とおっしゃっていました。

本誌にはコピーデンチャーの作成方法やリマウント方法がカラー写真で掲載されていますが、そのことが中心というより、村岡先生のエッセイ集といった趣があります。本のサイズも読みやすくA5版サイズになっています。

私のような義歯好きには、笑ってしまう内容や同感しています内容と村岡先生の人間味が満載になっています。前半は、先生の義歯に対する考え方や影響を受けた偉大な先生たちの話、後半になるに従い、村岡先生得意のだじゃれ満載になりますので、気を抜いて楽しめます。

特に「81 雨ニモマケズ」の内容を是非お読み下さい!20年前に村岡先生が書いた物ですが、歯科医師として読むと考えさせられます。オススメです!!

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《総義歯吸着への7つのステップ》

《総義歯吸着への7つのステップ -コピーデンチャーテクニックとその応用-》 村岡秀明 著 株式会社ヒョーロン

先日、講習会を受講してきた村岡秀明先生の著書である。

村岡先生の単独の著書は久しぶりですが(この本の発売は2009年)、講習会を受講してコピーデンチャーを勉強したくなり購入してみました。

内容は村岡先生がよく言われる「入れ歯の形」について後半はコピーデンチャーの作成方法や応用方法など書かれています。写真はすべてホームビデオ画像ですので少し荒いですが、不鮮明ではありません。本でもライブ感は伝わりますがライブ映像からのカットした物ではなく、できればDVD付きでムービーで勉強したいところです。「村岡秀明のコピーデンチャーDVD集」なんて個人的には出していただきたいところです(笑)。もっと症例がみたいです!

入れ歯の患者さんの悩みは人それぞれです。私も、入れ歯を色々と勉強していますが、様々な治療の引き出しをもち、臨機応変に対応し、良好な義歯を作製する事が必要と思います。一つの治療方法だけですべての症例に対応する事が難しいことも多く、その治療に悩んで切磋琢磨することがこの義歯道を歩む心持ちかと思います。コピーデンチャーもその方法の一つかと思います。

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「臨床家のためのやさしい接着のはなし」

「臨床家のためのやさしい接着のはなし」 横塚繁雄・高橋英登 他著  医師薬出版

このブログでも何度も高橋英登先生の講習会を紹介していましたが、高橋先生は日本歯科大学の補綴出身で接着を専門とした先生です。先生の講習会で接着に興味を持ち、現在接着の勉強中!

その中で高橋英登先生の著書を購入できましたのでレビューします。

コンポジット系の専門書はこの頃多く発売されていますが、補綴物接着の専門書は少ない様です。発刊は1999年で現在絶版です。オールカラー。

専門書ですが、接着の勉強は理工学の教科書の様な専門用語が羅列されちんぷんかんな事が多いと思いますがこの本は臨床医に向けた実践的な内容になっています。簡単な用語集も載っており読みやすいです。

最初の行は、さっらっと読みたい人向けに簡単に書かれており、深く知りたい人はそのまま読み進めると深く知ることができる書き方をしておりわかりやすいです。

10年以上前の本ですが、接着の考え方は現在と変わっておらず、スーパーボンドを中心に解説してあります。今月の歯科評論2月号にも高橋先生の接着特集が組まれており、この著書と重なる記述も多く、10年前から接着の考えか方は変わっていないことがわかります(普遍性的ともいえますね、スーパーボンドを推薦していることも同じです)ただし、商品は10年前に比べればたくさんあり接着剤の選択肢は現代は増えたと思います。この著書は絶版ですので、歯科評論2月号購読がオススメです。

是非、「臨床家のためのやさしい接着のはなし 2013年改正版」の発行に期待です(笑)

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「困ったときに役立つ口腔外科症例集」

困ったときに役立つ口腔外科症例集ーこれは何か? どう治すか?ー 鎌田仁 著 クインテッセンス出版

口腔外科領域の症例集です。オールカラー・119ページ

全52caseの症例が紹介されています。紹介分類の方法が症状(例:腫脹)→部位(例:口蓋)→治療→経過等の実際の患者さんが来院してその治療の時系列に書かれています。

口腔癌などはみて確定診断はできる事なく、病理診断が確定診断となります。

臨床医からみると症状から学んでいく方が現実的と思われます。また、自分で治療が可能か?もしくは適切な専門病院に紹介すべき内容の判断のスピード化につながります。

本文の脇にポイントとしてその病名の詳しい内容や分類などが書かれており、勉強になります。小手術のポイントの見逃せません。

一般開業医の歯科医師の中には外科が得意ではない先生の多いと思いますが、自分で治療することがなくても患者さんを速やかに紹介することも大切な仕事です。

口腔外科専門医の方には、物足りない内容かと思いますが、一般臨床医には大切な内容がたくさん書かれています。

欠点としては、写真が少し小さく、パノラマ写真だけでも大きく掲載してほしいところです。ほとんどのパンラマ写真が顎関節が切れた写真になってしまっているのが残念です。また、処置時のの道具の紹介もほしいところです。

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