《GPの歯内療法その質を高めるために》

29日は札幌で行われた《GPの歯内療法その質を高めるために》セミナ参加してきました。

講師は平和歯科医院 阿部 修先生です。阿部先生のことは著書で数年前から知っておりいつか受講してみたい先生の一人でした。このたび札幌で開催でしたのですぐに申し込みました。阿部先生はもとパイロットという変わった経歴の先生です。

先生は著書内容と同じように、開業医ですが様々論文を読んでおり、また、自分で疑問に思った内容は自分で確認される様な先生で尊敬しています。今回も根管治療時に残っているカリエスの問題点 根管洗浄の問題点など自分ではできていると思っていることが出来ておらず そのことが治療の成功に大きく関係していることを教えていただきました。

また、《WAVE ONE GOLD》NIーTiファイルのことについても詳しくわかり 自分が旧WAVE ONEファイルのイメージと違いパワーアップしていることも勉強になりました。(旧WAVE ONEは硬すぎるため問題があったようです。実際使用してみてボルテックスブルーのしなやかさが欲しいと感じていました) 時代はMワイヤーからGワイヤー時代になり アメリカではプロテーパーGOLDは発売しているようです。Gワイヤーは熱処理の工夫によりしなやかさが増加(切れ味はMワイヤーの方があるようです)オートクレーブのような熱を加えると直線化するようです。マルテンサイトという素材(組成?)らしいです。詳しくはわかりませんが、熱処理で歪み(金属疲労)が回復するようです。(間違っていたらごめんなさい!)

昼食無しのセミナーでしたので 今度は是非1~2日コース(実習付き)をリクエスト致します。

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ウルトラデントセミナー

10月28日 診療後 札幌でウルトラデントセミナーを受講してきました。目的は講師が歯内療方専門医の坂東 信先生の臨床を勉強に行きました。ウルトラデントから今度 《エンドレズ》(根管充填剤:シーラー)が発売を記念して行われました。

保険診療のみで根管治療している私はコスト問題がある《エンドレズ)は導入予定はありませんが、エンドレズはレジン系シーラーの分類になるようです。エビデンス的にはシーラーの種類による予後の大きな違いはないようです。だだし、根尖外に出したり、シーラーを使用しないガッタパーチャ単身での根充はおすすめしていないようです。セミナーでは日本の専門医は《AH プラス》を使用していることが多いようです。私は非ユージノール系のシーラーを使用していますが大きな問題は無いかと思います。ユージノールの刺激について一時話題になりましたがどうなんでしょうね?

歯内療法好きは、時間とコストのことを考えるとやっぱり自費で根管治療するしか方法はありませんが、日本保険のルールでは保険医は歯内療法を自費で行うことは問題があるとの見解がありますので、保険医をやめる必要があるようです。そんなことで現在は、保険診療でも自分なりのベストを尽くすことが保険医の使命のなのでしょうね!

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《今さら聞けない エンド治療の基礎》

昨日 診療後 岩見沢歯科医師会主催のセミナーに参加してきました。実は岩見沢歯科医師会学術の部員もしており、診療を18時で終わらせていただき会場へgo!

講師は札幌で開業の佃 宣和先生です。佃先生は歯周病の専門医ですが、今回は歯内療法で話をしていただきました。

講演の中で先生が言われていた内容ですが 私も同意することがありました。ここからは私見も含みますのでご了承ください(また マニアックな話ですみません)

それは他院で歯内療法を行って疼痛等の不快症状が出て、当院に来院してきた時の対応についてです。自院でも長期(3ヶ月以上長期に歯内療法を行っている治療に関しても ただし、診断の見直しは必要ですが)の場合も同じです。

対応方法はスバリ《何もしない》(歯内療法だけに・・・)っとダジャレではありませんがこれが正解かと思います。

ただし、確認事項があります。他院から自院に来院にケースは感染根管治療がほとんどではないでしょうか? まず、1.対合歯との接触をなくす(側方運動時も確認) 2.う触探知液をかけてう蝕が残存していないか確認後、ラバーダムが掛けれるぐらいレジンにて側壁を作る 3.根管長測定器で根尖までの穿通しているか確認(麻酔も必要の時もあります) 4.次亜塩素酸ナトリウムにて徹底洗浄(根尖外には絶対に出さないように圧に気をつける) 5.根管中には何も塗布薬を入れずに3ミリ以上の仮封を確実に行う(私は水硬性セメントを使用) 6.鎮痛剤 場合により抗菌剤を投薬 以上

特に2と5がポイントかと思います。 感染源はどうしても根尖部にある良いな感じがしますが歯冠側に原因があることが多いと言われています。初診時は洗浄効果を上げるため歯冠側のみの拡大で良いと思います。前医でどのような治療を行っているかはわかりませんので一度無投薬で経過を見ることが重要かと思います。FC等の薬物性刺激による疼痛も疑います。次回から症状を聞き 通常の感染根管治療に移行します。まずは患者さんの痛みのコントロールを考え スタートに戻ってみることがポイントかと思います。

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歯内療法:ゲーツドリルの大切さ

またまたマニアックな内容ですので歯科関係者以外はスルーしていただいて構いません(笑)

私の根管形成(拡大)にゲーツドリルは欠かせません。

根管形成の流れとしてステンレスファイル(新品)の#8 10 15と穿通をはかり、確実な穿通を確認します。その時SEC1-0を使用します。根管孔の外側を意識しながらアンチ カーブ ファイリングを行います。その後にすぐにニッケルチタンファイルに移行するのではなく、根管の歯冠側1/3~2/3までをゲーツドリルで拡大を行います。順番は3-4-(5)-2の順です。5はケースバイケースで使用しますが4までは確実にしたほうが良いです。ゲーツドリル4は1.1ミリありますからファイルで100号に当たります。ゲーツドリル2は使用するドリルの中で根管の2/3まで深く拡大していきます。ゲーツドリル2は0.7ミリですのでファイル70番の当たります。かなり大きく拡大するイメージがあり、穿孔の心配も出てきますが確実な穿通後、ゲーツを使うことにより根管の道筋に行きますのでそんなに怖くありません。もちろんアンチ カーブ ファイリングは意識しています。ゲーツを根管拡大に使用する理由は2つ。1つは大きなテーパーは洗浄薬が根尖付近まで届き洗浄の確実性が生まれます。2つめはその後に使用するニッケルチタンファイルの破折の予防です。歯冠側の根管部でのファイルの抵抗を減らし(歯冠側の根管で抵抗があるとそこで応力がファイルに集中して折れてしまいます)、根尖部付近の拡大を確実に行う。

私はこの方法でニッケルチタンファイルはほとんど折ったことがありません。もし折れたとしてのゲーツにより歯冠側が拡大されていますので除去が簡単に行なえます。また、ニッケルチタンファイルに対する抵抗が少ないため通常使用より長持ちすると思います。もちろん、使用したものは洗浄後オートクレーブを行います。

以上は清水藤太先生から勉強させていただいた内容です。私のオリジナルではありません。清水先生が読んだら履き違えているポイントが有るかもしれませんが・・・。すみません。

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