「歯科ニュース」カテゴリーアーカイブ
歯みがき剤のフッ化物濃度の上限拡大を承認!
う蝕予防を目的としたフッ化物を含む歯みがき剤は日本においては90%以上、米国においては95%以上のシェアを占めている。
フッ化物配合の歯みがき剤が社会に浸透しているなかで、その濃度についての問題提起がなされてきた。その背景には、欧米では1,000ppm〜1,500ppmの薬用歯みがき剤が一般的であるなか、日本においては上限が1,000ppmに設定されていたことがある。
ここにおいて2017年3月、歯みがき剤のフッ化物濃度についての大きな承認が厚生労働省によって下された。
それによると、これまで薬用歯みがき剤におけるフッ化物の配合量は1,000ppm以下とするように定められていたが、その上限が1,500ppmまで引き上げられたという。
今回の承認を受け、歯みがき剤メーカー各社から1,000ppm〜1,500ppmの高濃度フッ化物配合の歯みがき剤が発売されることになる。
高濃度のフッ化物配合薬用歯みがきが販売されるにあたり、その注意表示として
① 「6歳未満の子供への使用は控える」旨を表示する
② 「6歳未満の子供の手の届かない所に保管する」旨を表示する
③ 濃度を直接容器などに記載する
④ 内容物が10g以下の場合、②を省略することができる
などの基準が設けられる。
厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルス においては、歯みがき剤のフッ化物の濃度について以下の推奨がなされている。
推奨は国により異なり、例えばフィンランドにおいては第 1 乳臼歯が萌出したら 1,000ppm の歯磨剤を豆粒大で使用する。一方、オランダでは 2 歳までは 1日 1回、2 歳からは 1日 2回のペースでの500ppmの歯みがき剤の使用を推奨をしている。欧州小児歯科学会では、6ヵ月から 2 歳未満は 500ppm を 1 日 2 回、豆粒大での使用を推奨している。それでは、日本において新しく導入される 1,000ppm〜1,500ppm の薬用歯みがき剤については、どのように取り扱うべきなのであろうか?例えば、イギリスにおいては、3 ~ 6 歳では 1,350 ~ 1,500ppm の薬用歯みがき剤の使用が推奨されている。e-ヘルスや各学会がガイドラインを出すまでは、「6歳未満の子供への使用は控える」という表示に従って使用することが望ましいのかもしれない。(インターネットニュウースより)
*私はフッ素による虫歯予防は大変効果的と考えていますが、歯磨き(歯ブラシ+フロス)はきちんとすることが一番大切で、それにフッ素効果をプラスすることがお口の健康を保つには大切と考えています(三嶋直之)
誤嚥防止の長崎カステラ考案中!
飲食物などをのみ込む際に誤って気管に入ってしまう誤嚥により、肺炎や窒息を起こす危険性がある「嚥下障害」。原因は加齢、脳梗塞や認知症などさまざまだ。「嚥下障害がある人でも、安心してカステラを食べてほしい」-。そんな願いを実現するため、長崎県内の医療関係者らがプロジェクトチームを結成し、議論を重ねている。
長崎市内の特別養護老人ホーム。のみ込みに不安を抱える患者さんの診察に家族や介護士、看護師、栄養士、ケアマネジャーらが立ち合い、必要なケアなど情報を共有。内視鏡で食道を確認し、誤嚥が起こりやすい状況や適した食事などを判断した。長崎大学病院特殊歯科総合治療部の三串伸哉さん(38)は「窒息で亡くなる人は全国で毎年4千人以上いるが、嚥下障害のことはあまり知られていない」と語る。
カステラプロジェクトのきっかけは昨年夏、三串さんが何げなく読んだ介護福祉士の国家試験の過去問だった。設問「次の食品の内、嚥下障害のある高齢者にとって最も注意が必要なものは」-の選択肢は、(1)豆腐のあんかけ(2)煮こごり(3)バナナペースト(4)カステラ(5)アイスクリーム。正解はカステラで、「口の中の唾液だけでは十分に軟らかくできないことがあるため」というのが理由だ。
「せっかくの長崎名物なのに。誰もが食べられるカステラを作れないか」。昨年11月、医療関係者の勉強会で提案すると、有志が賛同。1月、初会合が実現した。今月あった2度目の会合には、現役パティシエや管理栄養士、障害者福祉施設の菓子製造担当者、大学生らも参加した。
「カステラのスポンジ生地の中に、とろみがある食材を入れたらどうか」「食べやすさだけではなく、味も大切」。パンやビスケットなどのパサパサしたものや、餅や団子などのベタベタしたもの、お茶、水などのさらっとした液体はのみ込みにくいとされており、どの程度の軟らかさにするかなど意見を交わした。年内完成を目指す。
三串さんは、プロジェクトを通して嚥下障害について広く知ってもらいたいと考えている。(インターネットニュースより)
*カステラの概念が変わるかもしれません。老若男女関わらずカステラを食べれる環境は素晴らしいですね!(三嶋直之)
世界初の歯周病のワクチンが開発されました!?
メルボルン大学の研究チームは、過去15年間にわたる研究の成果として、世界初の歯科治療用ワクチンを開発したとNPJ Vaccines誌にて発表した。
ワクチンは事前に接種することにより、体内にあらかじめウイルスや細菌などの病原体に対する免疫を作り出し、病気に罹患しにくくする目的で使用される。今回開発されたとワクチンは、代表的な歯周病原菌であるP. gingivalisが生産する酵素を利用して免疫反応を引き起こす。ワクチンの摂取により免疫反応が引き起こされることで抗体が生み出され、その抗体が病原菌の破壊的な毒素を中和するという。
オーストラリアにおいても成人における歯周病の罹患率は高く、その全身健康に及ぼす影響が社会的に問題視されている。研究に携わったReynolds教授は、「現在、歯周病は歯周病専門医によるクリーニングにより治療されており、しばしば外科処置や抗生物質投与も行われる。これらの方法は有効だが、多くの症例において、プラーク内において細菌叢が再形成され歯周病は進行し続ける。我々は、このワクチンが多くの人々のQOLを高めることに貢献するのではないかと大いに期待している。」などと述べている。
早ければ2018年には、歯周病専門医による治験が開始されるという。(インターネットニュースより)
*期待大ですね!!(三嶋直之)