歯内療法上部拡大とガッタパーチャポイントの除去について

以下の内容はマニアックな内容ですので一般の方には?な内容となっていますがご了承ください。

根管治療時に根管拡大は抜髄治療でも感染根管治療でもほぼ拡大を行うと思います。そこで歯冠側1/3の拡大にゲーツドリルを使用していたのですが、ある名古屋の有名な先生のセミナーで教えていただいてからエラースケーラー(ナカニシ)にカボのエンドチップ No.68を取り付けて使用します。(もちろんその時々の症例に合わせてゲーツの使用します。)

感染根管治療では、上部のガッタパーチャポイントの除去、抜髄治療では、SEC1-0で穿通後に歯冠側1/3の拡大に使用します。ただし、ストレートのチップのため根管内側に力をかけて拡大すると新品チップだと穿孔しますので注意が必要です(根管は必ず湾曲していることを意識します)外側方向にを意識しながら拡大する必要があります。

その後、感染根管治療の場合のガッタパーチャポイントの除去は感染物質を除去する意味・穿通を行いたい意味でも完全に除去したいところですが、これが難航することがあります。私の場合、おおまかに細い根管用超音波チップを使用しながら無注水で熱と振動により少しずつ取っていきます。(感染が強いほど簡単に除去でき、状況によればマスターポイントあそのまま除去出来ることも少なくありません)

この方法で約8割9割は取れるのですが根尖部のガッタパーチャポイントがなかなか除去できません。乱暴に超音波チップを突っ込むと根尖の破壊を招く恐れがあります。また、ファイルを突っ込むと根尖外にガッタパーチャポイントを押し出す可能性もあります。そこで、根尖付近まで機械的除去にし(1~2ミリ程度残った状態)、根尖部にガッタパーチャポイント溶解剤(色々とありますのでお探しください。私の感覚ではあれが一番良いと思います(笑))を入れ、ペーパーポイントで上下しながら溶解させます。何回か上下していくと数分で溶液が白濁してきます。除去後は溶解剤等を洗い流すためにEDTAで数分間洗浄することが推奨されています。私のレベルではそれでも拡大で見ていくと取れないことがありますので現在、色々と奮闘しております。根尖外に出て閉まっているガッタパーチャポイントは根管内から除去される先生もいらっしゃいますが外科的な治療法が適用なのかもしれません。

《インプラントYEAR BOOK 2016》に掲載

 今月発売のザ・クインテッセンス別冊の《インプラントYEAR BOOK 2016》の一部 ミューワンインプラントについて執筆させていただきました。(クインテッセンス出版)
 執筆には色々な方にご協力していただきやっと出来上がった行った感じです。内容はともかく私なりに頑張らせていただきました。お時間があればご覧になってみてください。
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第25回口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会

27日は東京の東京歯科大学で行われた『第25回口腔インプラント専門医臨床技術向上講習会』に参加してきました。私も未熟ですがインプラント専門医なもので受講してきました。今回のテーマは『高齢者とインプラント』。現在、超高齢社会の日本では歯科医療を受けるとき様々な全身疾患やインプラント治療後に高齢になり口腔ケアが難しくなってきた場合の対応等が問題になっています。歯科医師もお口の病気だけの専門的な智識だけでなく全身的な患者さんの把握が早急に必要な時代になっています。特に有病者の方は様々な薬をのんでおり、その副作用や相互作用にも気をつけなければなりません。新薬も毎年のように出ており、さらに気をつけなければなりません。特に骨粗しょう症に使用されるBP製剤はお口の中での外科的な治療の禁忌となっています。まだまだ、休薬期間に対するエビデンスも乏しいようです。

今回、全国から180名近いインプラント専門が集い1日中勉強してきました。新たな知識や再確認の内容を習得でき大変有意義な一日でした。

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《歯髄細胞バンク研修会》

12日 夕方から札幌で《歯髄細胞バンク研修会》を受講してきました。この事業のシステムは患者さんから抜いた乳歯(20歳まで)から神経(歯髄)を取り出し、培養し、今後更なる発展が期待させる再生医療に役立てるシステムです。通常、破棄してしまう歯を有効利用する方法ですね。歯髄から幹細胞を培養する方法が、様々な点で有利ということです。細胞増殖の点や脳梗塞・血管障害・深い虫歯等に今後利用可能になるそうです。脊髄損傷の方に、親知らずから採取した歯髄を培養し幹細胞をつくり患者に移植することにより今までは治療不可能な状態が軽いキャッチボールが出来るまで回復した事例もあるそうです。(他の幹細胞では効果がなかったそうです)。また、神経を抜いた歯に幹細胞を移植して歯髄を再生する研究も行われているそうです(様々な条件が必要かと思いますが・・。もちろん感染した歯は不可能かと思いますが・・・?)

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現在、インプラント治療は乳歯・永久歯に次ぐ第三の歯とも言われていますが、第四の歯として再生医療が身近になる時代が来ているのかもしれません。大きく期待したいところです。