《限られた時間・限られた器材で行う訪問診療における義歯修理のコツ》

《限られた時間・限られた器材で行う訪問診療における義歯修理のコツ》 竹前健彦 著 医歯薬出版

義歯好きにはたまらない本が出ました。何気なく注文した本ですが面白くて1日で最後まで読んでしまいました。けして訪問診療だけでなく普段の保険診療にも十分役立てることの出来る内容となっています。ところどころにエビデンス的な内容が書かれていますがそれより竹前先生の長い臨床経験から得られて短時間に効果的な義歯の調整・修理法が書かれています。まさに《コツ》です!総義歯に始まり、パーシャルデンチャーまで実にわかりやすく書かれています。ところどころ そうだよねぇ~・なるほど~!的な内容が盛り沢山です。竹前先生が往診で早く患者さんに食べられるようにすることが命を救うこととを考え懸命に治療している姿が浮かびます。普段の義歯調整治療でつまずいたり、新製まで6ヶ月待てないときは答えがあるかもしれません。私の中で久々のおすすめ本です。88ページの厚い本ではありませんが内容はかなり濃いと思います。ただ残念なのが2色刷りの本ですので写真が鮮明ではなくカラーでみたかったです。パート2に期待です。

診断学・エンド 2日間集中セミナー

5日6日と2日間 札幌で宮下裕志先生の《診断学・エンド 2日間集中セミナー》を受講してきました。宮下先生はEPSDCを主催されておりイエテボリ大学の歯周病・歯内療法の専門医の先生です。宮下先生のセミナーや著書は読んだことがありましたが今回札幌で2日間コースが開催されたので楽しみに受講してきました。

内容はスバリ診断学です。2日間の殆どがこの診断学の時間に費やされました。エンドの勉強を期待した先生には少し残念だったかのしれませんね。私にとってはその診断学が大変興味があり、普段の診療ではその診断が適切のできることにより治療方針がきまり患者さんにも説明が出来ます。ですがすべての症例で適切な診断は難しいのですが幾つかの疑いを持ちながら治療をすることは良くあることです。歯原生なのか?非歯原生なのか?原因は歯周か?エンドか?原因の歯は?といろいろです。特に保険診療はスピードが求められますので診断は大切な内容になります。経験は確かに大きなファクターとなると思いますが知識と視野の広さが診断に役立つことはよくあります。1本でも大切な歯ですので適切な診断→治療が患者さんの幸せにつながると思います。

北日本口腔インプラント研究会 公開講座

7月23日 (日)札幌で北日本口腔インプラント研究会主催の公開講座が開催されました。講師は 東京都開業の殿塚量平先生です。演題は『歯周外科処置における歯肉ラインをコントロールする方法』です。前半は歯周基本治療の大切さ、後半はインプラント治療を含む歯周管理について教えていただきました。素晴らしい症例が多く驚愕する内容でしたがその過程には幾つもの先生の努力と経験が裏付けられた内容でした。1日のセミナーでは足りない内容でしたのでまた殿塚先生の講義を受講したいと感じた充実した内容でした。

難症例時代に求められる総義歯の印象と咬合

9日札幌で行われた「難症例時代に求められる総義歯の印象と咬合」と題したセミナーを受講してきました。講師は東京医科歯科大学 教授 古屋純一先生です。東京医科歯科大学の鈴木哲也先生とともに総義歯を研究・臨床を行っている先生です。

今回、総義歯の外形についてと咬合についてのセミナーでした。古屋先生はフルバランス様リンガライズトオクルージョンを推奨していました。

先生もお話されていましたが義歯の成功の鍵は咬合あり、印象2割 咬合8割的なことですが、私も同意です。義歯吸着があっても咬合のズレが致命傷になることが多くあります。その咬合を適切にするのが咬合調整やリマウント法になると思います。私の感覚では口腔内調整法には限界があるような感じもします。口腔内だと適切な咬合の合否が判定しにくいことがあります。確かに、口腔内の方が手軽であると思いますが・・・。どうなんでしょうね?!