「咬合学がよくわかる話」

30日札幌で行われた講習会「咬合学がよくわかる話」を受講してきました。講師は近代口腔科学研究会 飯塚哲夫先生です。

今回の講習会では、咬合学の歴史的流れと現在の日本での咬合学の問題点等について話が中心の講習会でした。

今回、受講して咬合は個人固有のものであり、必ず歯科医師が考える理想咬合といわれるものはなく、また、学術的に理論立てた咬合論も疑問の余地があり、正解はない。全身と咬合の関係、顎関節症と咬合の関係、矯正治療の咬合、また、正常咬合といわれているものにはのエビデンスがない。と言った感じでしょうか?

今回の講習会では、「では、我々歯科医師は何を基準に咬合を考えるべきなのか?」との回答はなかったのが残念ですが、私の現在の咬合論は患者固有の咬合状態を把握するために、術者誘導型の咬合は与えてはいけない、また、患者固有の咬合を見つけ出すにはプロビジョナルを介して解析していく方法だと感じています。目的は、咬合様式や咬合論を患者さんに押し売りするのではなく、患者さんの感覚で快適な口腔機能、すなわち食事をおいしく食べられることではないでしょうか?!

これから先も咬合を考える治療は必要だと思います。様々な角度から考察していく力をつけて行きたいと思います。

第4回 GDSデンチャーセミナー各論コース

22日23日は札幌で松本 勝利先生のGDSデンチャーセミナー各論コース4回目です。今回は総義歯排列の勉強です。

機能的で審美的で人工歯排列することは難しいことと考えていました。しかし、今回のセミナーを受講して少し理解した感じがしました。それぞれの歯には役割があり、安定した義歯を機能させるためにそれぞれの人工歯に役割を持たせ、適切に並べることにより、食べれる義歯ができるのです。

この理論を取得するには、歯科技工士を共通の知識をもち、切磋琢磨することも必要だと感じました。このコースは実際の患者さんで作成していくコースですので松本先生のライブですので臨場感もありスライドでは普段わかりにくい部分もわかりやすく、勉強になります。

コースも後半になってきましたが最後までたくさん吸収していきたいです。

《NiTiロータリーファイルを効果的に使う実践歯内療法》

Evidence & Technique~NiTiロータリーファイルを効果的に使う実践歯内療法~
阿部修 著 医歯薬出版
 阿部先生の著書は2005年の出版された《エンジンファイルON》デンタルダイヤモンド社に続き第2弾になります。この専門書は歯科展望で長期連載された内容をまとめたものです。
阿部先生はパイロットの経験もあり経歴に特徴のある先生です。
 この専門書では特に根管洗浄・ニッケルチタンファイルについての根管形成を中心に書かれています。ただし、私としては根管充填については記載が少なくのでこの点はマイナス部分です。
 しかし、根管洗浄はきちんと根尖まで届いているのか?その方法は?ニッケルチタンファイルの破折を防ぐ方法・効果的な根管拡大方法などが詳しく書かれており勉強になります。
 また、ニッケルチタンファイルは通常1回使い捨てに海外では推奨されていることが多いようですが日本保険診療ではそうはいきません!そこで、この専門書では効果的なファイル洗浄・滅菌方法の記載があります。ほかに歯の感染歯質の確実な除去が治療後の疼痛削減になることについても勉強になります。
 あくまでもこの専門書は、歯内療法専門医ではなく一般臨床医(保険診療医)の目線で書かれており(顕微鏡は使用していますが・・・)、エビデンスを踏まえてその内容を実現するためのポイントのたくさん書かれています。 歯内療法好きの先生にはお勧めです。