歯内療法:ゲーツドリルの大切さ

またまたマニアックな内容ですので歯科関係者以外はスルーしていただいて構いません(笑)

私の根管形成(拡大)にゲーツドリルは欠かせません。

根管形成の流れとしてステンレスファイル(新品)の#8 10 15と穿通をはかり、確実な穿通を確認します。その時SEC1-0を使用します。根管孔の外側を意識しながらアンチ カーブ ファイリングを行います。その後にすぐにニッケルチタンファイルに移行するのではなく、根管の歯冠側1/3~2/3までをゲーツドリルで拡大を行います。順番は3-4-(5)-2の順です。5はケースバイケースで使用しますが4までは確実にしたほうが良いです。ゲーツドリル4は1.1ミリありますからファイルで100号に当たります。ゲーツドリル2は使用するドリルの中で根管の2/3まで深く拡大していきます。ゲーツドリル2は0.7ミリですのでファイル70番の当たります。かなり大きく拡大するイメージがあり、穿孔の心配も出てきますが確実な穿通後、ゲーツを使うことにより根管の道筋に行きますのでそんなに怖くありません。もちろんアンチ カーブ ファイリングは意識しています。ゲーツを根管拡大に使用する理由は2つ。1つは大きなテーパーは洗浄薬が根尖付近まで届き洗浄の確実性が生まれます。2つめはその後に使用するニッケルチタンファイルの破折の予防です。歯冠側の根管部でのファイルの抵抗を減らし(歯冠側の根管で抵抗があるとそこで応力がファイルに集中して折れてしまいます)、根尖部付近の拡大を確実に行う。

私はこの方法でニッケルチタンファイルはほとんど折ったことがありません。もし折れたとしてのゲーツにより歯冠側が拡大されていますので除去が簡単に行なえます。また、ニッケルチタンファイルに対する抵抗が少ないため通常使用より長持ちすると思います。もちろん、使用したものは洗浄後オートクレーブを行います。

以上は清水藤太先生から勉強させていただいた内容です。私のオリジナルではありません。清水先生が読んだら履き違えているポイントが有るかもしれませんが・・・。すみません。

s-dental02_05_06 (1)_page0001

北日本口腔インプラント研究会主催 定例会&公開講座

18日 北日本口腔インプラント研究会主催の定例会&公開講座が行われました。

講師は 日本歯科先端技術研究所 会長 簗瀬武史先生・日本歯科先端技術研究所 東海地区会長 近藤昌嗣先生でした。

60名近い方が参加していただきました。参加していただいた皆様有難うございました。今後も年4回の定例会と年2回の公開講座を行いますので皆様の興味を引くそして勉強になる内容の講演会にしたいと思います。北日本口腔インプラント研究会にご興味のある方はご連絡を!mishimashika@gmail.com

s-P1040323s-P1040345s-P1040339

歯内療法 ひとりごと

以下の内容はマニアックな歯科医師しかわかりませんのでご了承ください。

先日 岩見沢のT先生のお話をしていましたら歯内療法のニッケルチタンファイル 《Wave one Gold》を導入したとのこと。その会話からの内容です。

このシステムは基本的に1本ファイルで根管形成を終了するというもの。コンセプトはシンプルで素晴らしいと思いますが、まず、抜髄根管治療が中心で使用するシステムであること、グライドパス(穿通性の確保)ができたうえで使用することが考えられます。穿通はステンレスファイルの#15まで穿通性が確保されていると、根尖部を破壊せずに綺麗な拡大形成できると思います。また、歯冠側1/3がゲーツドリル3番ぐらいまでの拡大があると歯冠側でのプレッシャーがなくなりファイル破折防止に繋がると思います。(拡大時にはEDTA等の潤滑油を使用するとスムーズに拡大できますのでこれも破折防止に繋がると思います。)

最終拡大の大きさですが、洗浄効果も期待して6テーパー以上は必要かと思います。また、拡大の大きさですが抜髄症例であれば30番~40番(細い根管では25番もありかと ただし、25番までの拡大では洗浄と根充が難しくなるかも?)が標準だと思います。根尖部の大きさが約0.3ミリであり(例外の根管も有りますが:下顎大臼歯遠心根等)ますので、抜髄症例では根尖部を破壊したくありませんので30番程度と言われています。しかし、根尖は完全なる円ではありませんので、私の臨床では最低35番まで拡大と考えています。

ですのでwave oneシステムではミディアム(#35 .06テーパー)のぐらいまで拡大したいところです。ちなみに私の臨床ではWave one Goldを使用していませんので理論上の話になりますが・・・。メーカーはプライマリー(#25 .07テーパー)で十分と言われるかもしれませんが・・。

根充では6テーパーの付いているガッタパーチャポイントであればシーラーを根管内にレンツロで多めに流し込みシングルポイント根充も大きな問題はないと思います。(現在は根充法の選択より、根充前の洗浄に成功のカギがあると言われています)

こんな感じでどうでしょうか?間違っていたらごめんなさい。いつもお世話になっているT先生へ!

s-waveone-gold-files-compressed