《美しい撤去》

《美しい撤去 ~安心・安全で効率的な理論とコツ~》

著者は北日本口腔インプラント研究会 定例会でも講演していただいた 昭和歯科大学 佐藤裕二先生です。2012年発売の《教科書にのせたい義歯診療のコツ》から3年 2冊めの佐藤先生の著書だと思います。

今回のお題はズバリ撤去(除去) !  除去の内容だけの専門書は世界ではじめてでは無いでしょうか?!佐藤先生着眼点の驚愕です。通常、補綴等の専門誌に1ページほど割いて除去の記載がありますが除去だけで1冊の専門書です。

内容は力学的な観点からみた除去方法やクラウン・ブリッジの除去 更には義歯のクラスプ 人工歯までを網羅しています。また、各社から出ている除去道具についても細かなレビューが載っています。個人的には、メタルコア除去のページが参考になりました。(リトルジャイアントの使用方法が詳しく載っています。先日、かなり深いメタルコアも歯牙を破壊せずに数秒で除去出来ました!)ワムキークラウンリムーバーも私の臨床ではよく使用します。ちなみにインプラント撤去の記載はありませんでした。

除去はなるべくしたくないものです、自院で作ったものでも他院で作ったものでも嫌なものです。なぜなら、補綴物を作ったら10年は機能させたいと私は考えるからです。しかし、状況において除去しなければならないケースも存在します。どうせ 除去するのならスマートにしたいものです。佐藤先生の得意とする「教科書に載っていない臨床のコツ」が舞祭ですので、除去に困ったら読んでみると勉強になります。オススメです!!

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《今,保険の義歯をどう作るか》

《今,保険の義歯をどう作るかーより良いものを,より効率よくー》村岡秀明・内田雄望 著
1996年に発刊された《保険の義歯をどう作るか》の19年ぶりにリニューアル版が発売されました。前巻の本は義歯好きなら購入した人も多いのではないでしょうか?特に保険の・・・と書かれていると私のような保険医は興味を惹きますね!
現在、村岡先生といえば義歯の巨匠の一人かと思いますが、村岡先生と言えばコピーデンチャーを思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?今回もムービーから切り取られた先生の臨床がパラパラ漫画のように見ることができます。
今回、楽しみだったのが内田先生の局部床義歯編です。全国の歯科医師に局部床義歯についてのアンケートを行いその結果が興味深い内容となっています。学術的な要因はあまりなく、臨床のコツが中心に欠かれていますので義歯設計を勉強したい方や技工士の方には少し物足りないかもしれません。あくまでもチェアーサイド側のコツです。1996年度版の方が初心者向けかもしれません。ページ数も違いますしね。
私もコピーデンチャーテクニックを使用して作製することもありますが、私の私感ですが現在の義歯の大きな問題がなくスペアーを希望している方、バイトを旧デンチャーを変えたくない方、他院で新義歯を作成し旧義歯の方が良かった方、往診等でスピードを求める場合等に有効と思われます。吸着義歯や大きな修正が必要な場合、特に保険の義歯の場合は新たに印象から始めた方が良いのかもしれません。
義歯好きなら一度手にとって見てください。
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ザ クインテッセンス 2015年4月号を買ってみたが・・・?!

久しぶりに月刊誌を買ってみました。普段専門書はたくさん買いますが、月刊誌を毎月買うことは私はありません(広告が半分を占め、興味の無い号の時もありますので。これは普通誌でも言えることですが)(バックナンバーは時々、購入しますが・・)

でも、今月号は歯内療法専門医の清水藤太先生の書かれているとFBで知り(それもムービー付き)、早速購入しました。なかなか無いことですので・・・・・・・。

ですがたったの3ページ それにムービーも1分30秒ほどで終わり、前半の大切なフラップの部分が省略されていたり、逆根管形成でムービーが終わり、これから見たいところが・・・(涙)。オペの最初から最後までをムービーで見たかったです(涙)

月刊誌ではここまでが限界かも?!しかし、清水先生の神業といえるきれいなオペは見て損はありません(時間は短いですが) 田舎では、専門誌を立ち読みできる環境がありません。都会に居れば、立ち読みで今回は完了かも(笑) (他の特集は面白いものが多く勉強になりますが 今回の私の購入目的は清水先生のみでしたので落胆が・・・)

いつか清水藤太先生の単独の書籍や大特集を、欲を言えばDVDが発売することを望みます!!ベストセラーになると思います!!

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《垂直歯根破折歯を救え!》

《垂直歯根破折歯を救え! いざという時使いたいサイエンス&テクニック》 菅谷勉・海老原新 著
先日、講習会を受講しました歯破折についての専門書です。歯根破折だけの専門書はこの本だけではないでしょうか?破折しないための補綴物等の専門書はありますが、破折してからの治療法を詳しく書かれている本は珍しいかと思います。
口腔内接着法・口腔内接着後の再治療法・口腔外接着再植法の3つについての記載が症例を交えながら詳細に書かれています。また、接着剤としてスーパーボンドを使用していますが、その接着剤についてのサイエンスを後半のページに書かれています。スーパーボンドは組織親和性もよく、この本の破折症例ではすべてスーパーボンドで治療されています。読み込んでいくとまるでスーパーボンドのCMの感じも受けますが、30年の歴史のある接着剤で私も使用していますが安定した商品かと思います。
通常保存不可能と思われる破折歯を口腔外で接着し、再植しその後長期の良好な予後を見ていきますと驚愕する方もいるのではないでしょうか!講習会でも菅谷先生がおっしゃっていましたが歯根膜の生存の有無が最重要ということです。私も破折症例にチャレンジしていきたいと思います。
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