電子タバコの口腔内細菌叢と免疫への影響

米国ニューヨーク大学の研究チームが、国際学術誌 mBio において発表した論文によると、電子タバコ喫煙者は固有の口腔内細菌叢を有しているという。電子タバコ喫煙者の口腔内細菌叢は、紙巻タバコ喫煙者よりは健康的であるが、非喫煙者よりは健康的でない可能性があり、時間とともに歯周病を悪化させる可能性があるという。

本研究は、ニューヨーク大学歯学部分子病理学のDeepak Saxena 教授とXin Li 教授らによって行われた。紙巻タバコの口腔内環境への影響については長年研究されてきており、その弊害は広く知られている。一方で、電子タバコの口腔内環境への影響については、電子タバコ自体が比較的新しい嗜好品であるため、その長期的影響についてはまだ十分な研究が行われているとは言い難い。

Deepak Saxena 教授とXin Li 教授は、

 これは電子タバコが、どのように口腔内環境に影響を与えているかを調べた最初の縦断研究です。電子タバコの喫煙は、固有の口腔内細菌叢の成長を促進し、紙巻タバコの喫煙者にも見られるいくつかの細菌の成長にも影響を与えています。そして、電子タバコ喫煙者固有の口腔内細菌叢は、口腔内環境にリスクを及ぼすものです。
 

などと述べている。

本研究チームは、「電子タバコ喫煙者群に固有の口腔内細菌叢は、宿主の免疫反応を変化させている。そのことは歯周病の臨床指標とも一致しており、電子タバコが口腔内環境にとってリスクになる機序を示している。」と結論づけている。

インターネットニュースより