ドライマウスを改善する身近な食品とは?

口の中が「ヒリヒリと灼けるように痛い」「ベタベタ、ネバネバする」-そんな症状が現れれば、ドライマウスの可能性がある。ドライマウスは食べ物の味を感じにくくなる味覚障害などの原因となる恐れもあり、治療が必要だ。東北大学大学院歯学研究科口腔診断学分野教授の笹野高嗣氏は、ドライマウスの改善に有効な、身近な食品を使った独自の治療法を見いだした。

「口が渇く」より「ヒリヒリ」「ネバネバ」の訴え

ドライマウスとは、唾液分泌量が低下し、口内が乾燥した状態になること。加齢や薬の副作用、ストレスなどが原因で、口内のヒリヒリと灼けるような痛みやねばつき、口臭、味覚障害などを引き起こす。

笹野氏によると、ドライマウス患者が言葉通り「口が乾く」と訴えることは少なく、痛みやねばつきを訴える方が多いという。心当たりのある場合、口に水を含んで痛みなどの症状が消えればドライマウスである可能性が高い。

「うま味」に唾液分泌促進作用

唾液を分泌する唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺を含む大唾液腺のほか、歯肉以外の口腔粘膜全体に存在する小唾液腺があるが、笹野氏はこの小唾液腺に着目している。小唾液腺は口腔粘膜の直接的な保護や保湿、再生の役割を担っており、ドライマウスの改善には小唾液腺からの唾液分泌量が重要だという。

さらに、小唾液腺からの唾液分泌には味を感じる味蕾細胞を保護する働きもある。そこで、笹野氏が小唾液腺における唾液分泌と味覚の関係について検討したところ、5基本味(甘味、酸味、苦み、塩味、うま味)のうち、酸味とうま味が唾液分泌量を大幅に増加させ、酸味による効果は一時的だが、うま味の効果は持続性があることが分かった。

昆布だしのうま味を活用

この結果を踏まえ、笹野氏は「うま味」を活用した独自のドライマウス治療法を発案した。使用するのは、我々日本人に身近な食品でありうま味成分を含む「昆布」で、水500mLに昆布40gを1晩浸してだしを取るだけ。お湯ではなく水を使うことでだしにとろみがつき、保湿効果が生まれる。使い方は、口の乾燥を感じたときなどに1日約10回、30秒間口をすすぎ、そのまま飲んでもよい。訓練を重ねることで、2週間ほどで唾液分泌の改善を実感できるという。(インターネットニュースより)

歯みがき剤のフッ化物濃度の上限拡大を承認! 

う蝕予防を目的としたフッ化物を含む歯みがき剤は日本においては90%以上、米国においては95%以上のシェアを占めている。

フッ化物配合の歯みがき剤が社会に浸透しているなかで、その濃度についての問題提起がなされてきた。その背景には、欧米では1,000ppm〜1,500ppmの薬用歯みがき剤が一般的であるなか、日本においては上限が1,000ppmに設定されていたことがある。

ここにおいて2017年3月、歯みがき剤のフッ化物濃度についての大きな承認が厚生労働省によって下された。

それによると、これまで薬用歯みがき剤におけるフッ化物の配合量は1,000ppm以下とするように定められていたが、その上限が1,500ppmまで引き上げられたという。

今回の承認を受け、歯みがき剤メーカー各社から1,000ppm〜1,500ppmの高濃度フッ化物配合の歯みがき剤が発売されることになる。

高濃度のフッ化物配合薬用歯みがきが販売されるにあたり、その注意表示として

① 「6歳未満の子供への使用は控える」旨を表示する

② 「6歳未満の子供の手の届かない所に保管する」旨を表示する

③  濃度を直接容器などに記載する

④  内容物が10g以下の場合、②を省略することができる

などの基準が設けられる。

厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルス においては、歯みがき剤のフッ化物の濃度について以下の推奨がなされている。

推奨は国により異なり、例えばフィンランドにおいては第 1 乳臼歯が萌出したら 1,000ppm の歯磨剤を豆粒大で使用する。一方、オランダでは 2 歳までは 1日 1回、2 歳からは 1日 2回のペースでの500ppmの歯みがき剤の使用を推奨をしている。欧州小児歯科学会では、6ヵ月から 2 歳未満は 500ppm を 1 日 2 回、豆粒大での使用を推奨している。それでは、日本において新しく導入される 1,000ppm〜1,500ppm の薬用歯みがき剤については、どのように取り扱うべきなのであろうか?例えば、イギリスにおいては、3 ~ 6 歳では 1,350 ~ 1,500ppm の薬用歯みがき剤の使用が推奨されている。e-ヘルスや各学会がガイドラインを出すまでは、「6歳未満の子供への使用は控える」という表示に従って使用することが望ましいのかもしれない。(インターネットニュウースより)

*私はフッ素による虫歯予防は大変効果的と考えていますが、歯磨き(歯ブラシ+フロス)はきちんとすることが一番大切で、それにフッ素効果をプラスすることがお口の健康を保つには大切と考えています(三嶋直之)

 

妊娠中の歯のケアは?

妊娠中の女性は、体にさまざまな変化が表れます。口の中も例外ではなく、虫歯や歯周病になりやすい状態です。妊娠中の女性を対象にした歯科外来などで歯の健康を保つ取り組みも進んでいます。

 妊娠すると体内でエストロゲンプロゲステロンという女性ホルモンが多く分泌されるようになる。歯周病の原因になる細菌は女性ホルモンを好んで栄養とするため、口の中で増えやすくなる。歯周病が早産や低体重児出産につながるという報告もある。また、唾液の分泌が少なくなったり、つわりで気分が悪くて歯磨きがしづらくなったりすることで、虫歯ができやすくなる。

 母親の口に虫歯菌があると、子どもの歯が生えてきた時期に、スキンシップをするうちに唾液で虫歯菌がうつることがある。大阪大歯学研究科の仲野和彦教授は「母親の口の状態をよくすることは、子どもの虫歯予防にもつながる」と指摘する。(インターネットより)

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*昔は妊娠・出産をすると歯が弱くなる(子供にカルシウムが吸い取られる?!)と言われたことがありますが、現在そのようなことは無いことが解っています。昔は、子供が多く、母親の歯磨きがおろそかになっていることが原因のようです。ただし、妊娠中は注意が必要です。お口の様子の変化が見られます。ぜひ、妊娠を予定している方や妊娠中の方は是非一度歯科検診を受けてください。もちろん、担当医に妊娠中であることをお知らせください。初期・中期であればほとんどの歯科治療は心配ありません。(三嶋直之)