SEC1-0 追加の書きとめ2017年11月

ブログを見ていただいた方から数名からの質問がありましたのでわかる範囲でお答えしたいと思います。一般に方には全く無意味の情報ですので無視してください(笑)

現在、私が使用しているSEC1-0は3本あります。使用頻度が高い器具ですので滅菌の関係もあり3本を使用しています

 

上からカボ製(L3Y+20LP)・オサダ製(3LDSY(カボ製)+CS17)・ナカニシ(VM-Y+EC-30)です。

私のSEC1-0歴史から話すと高島憲二先生の著書「パーフェクト歯内療法」の中にSEC1-0の記述があり3LDSYを購入しましたが、今ひとつ普段の診療に取り入れることができませんでした。その数年後、清水藤太先生の歯内療法セミナーを受講してグライドパス時に使用することを教えていただき、その時の講習会でナカニシのSEC1-0を頂きました。これは私の歯内療法が変わると思い普段の治療に使用しています。数年前にもう一本欲しくなりカボ製を購入しました。オサダ製はヘッドはカボ製でシャンク部がオサダ製ですのでオサダ製と書くのは間違いかもしれません。ただ、カボ製のヘッドがオサダ製のシャンクに完全にフットしますので使用には問題ないかと思います。他社製のシャンクは試したことがないので未確認です。(互換性があるのでしょうか?)また、現在、購入不可の器具もあるかもしれません。私のSEC1-0は今まで故障は一度もありません。

写真を見ていただくとわかりますが微妙にヘッドの大きさやシャンクの長さが違いますのでそのへんも注意が必要かと思います。大臼歯治療にはシャンクが長いと使用しやすいです。

カボ・オサダ製とも注水可能で、ナカニシ製は注水不可です。清水先生もおっしゃっていましたが注水可で行うことで水が潤滑油の役目や切削片の洗浄にも繋がるとおっしゃっていました。根管内に次亜塩素酸ナトリウム等をいれて無注水で行っても問題は少ないと思いますが、私の場合、根尖からファイルを突き出して使用しますので洗浄薬が根尖外に出てしまう危険性を考えて注水可で使用しています。ですのでナカニシ製を使用するときは水で根管内を満たして使用しています。このあたりは術者によっては考えが変わるかもしれません。

シャンクはすべて等倍でユニットの回転数を最大2000回転に設定し1500回転前後で使用しています。ファイルは#8・10・15のみ#8は必ず滅菌新品ファイルを使用し穿通を行っています。けして#20以上のファイルをSEC1-0で使用することはありません。

ファイルはマニー製を使用していますが他のメーカーでSEC1-0に入らなかったメーカーもありますので注意が必要です。

今では私の歯内療法治療ではなくてはならない機材の一つとなっています。ちなみに私はマイクロ治療はしていません、全て12~13倍のルーペを使用して診療しております。

最新情報は清水先生の歯内療法コースがありますので受講をオススメします。多分、その中で紹介されていると思います。(私もまだ受講していませんので詳細は不明です・・・)このブログに間違った記述がありましたらお詫びいたします。

 

Dr.ジョージ・ボーゲン セミナー

18日 福岡にてDr.ジョージ・ボーゲン イブニングセミナーを受講してきました。19時~22時までの夜のセミナーです。ロサンゼルス開業の清水藤太先生とジョージ・ボーゲン先生のコラボセミナーです。お二人とも超有名な歯内療法専門医の先生です。

清水先生からはエンドモーターについてと救急時の歯内療法の適切な対応をジョージ・ボーゲン先生からはMTAを使用した間接・直接覆罩法やリヴァスキュラリゼイション等の歯髄保存方法の最先端を学ぶことが出来ました。

英語な苦手な私にも清水先生が全翻訳していただいたので感謝です。ジョージ・ボーゲン先生の症例は通常、抜髄治療になるような状態でも歯髄保存療法をし、長期的な良好な症例は圧巻です。一昔は水酸化カルシウムや直接充填法・3Mix等がありましたが現在はMTAが予後が良いようです。(このあたりの材料的な比較は有意差がないとう言われている学者もいます)ただ、闇雲に薬剤を充填するのではなく適切な処置があって初めて予後が良い治療が出来るようです。私も患者さんの同意のものMTAを使用しますが予後が安定している事も多いと感じています。福岡まで行って勉強した意味がありました。

 

診断学・エンド 2日間集中セミナー

5日6日と2日間 札幌で宮下裕志先生の《診断学・エンド 2日間集中セミナー》を受講してきました。宮下先生はEPSDCを主催されておりイエテボリ大学の歯周病・歯内療法の専門医の先生です。宮下先生のセミナーや著書は読んだことがありましたが今回札幌で2日間コースが開催されたので楽しみに受講してきました。

内容はスバリ診断学です。2日間の殆どがこの診断学の時間に費やされました。エンドの勉強を期待した先生には少し残念だったかのしれませんね。私にとってはその診断学が大変興味があり、普段の診療ではその診断が適切のできることにより治療方針がきまり患者さんにも説明が出来ます。ですがすべての症例で適切な診断は難しいのですが幾つかの疑いを持ちながら治療をすることは良くあることです。歯原生なのか?非歯原生なのか?原因は歯周か?エンドか?原因の歯は?といろいろです。特に保険診療はスピードが求められますので診断は大切な内容になります。経験は確かに大きなファクターとなると思いますが知識と視野の広さが診断に役立つことはよくあります。1本でも大切な歯ですので適切な診断→治療が患者さんの幸せにつながると思います。

《ゼロから見直す根尖病変》

ゼロから見直す根尖病変 診断・治療コンセプト編・基本手技・難症例へのアプローチ編  倉富覚、 著 (医歯薬出版)

専門書レビューです。2冊出ていますので合わせて上下巻って感じです。近年の歯内療法専門書では一般開業医にとって大変勉強になる内容盛りだくさんのオススメの専門書となります。近年のたくさん出ている歯内療法専門医による著書は、エビデンスにもとに最新情報を網羅していますが、一般開業医にとって診療時間・診療コストをすべてを導入することは難しく感じることもあります。

今回、倉富覚先生は一般開業医とし下川公一先生のお弟子さんで、下川エンドのコンセプトを継承した診療をしています。(前にレビューした《「下川エンド」20年の臨床》を書かれた木村英生先生も同様です)。この専門書の所々に下川先生との交流が書かれておりその関係がわかります。

症例写真や模式図を多く・大きく使用し視覚的に頭に入りやすく読みやすい書になっており、各章の最後にその章のポイントもまとめられており確認しやすいです。また、先生の趣味かもしれませんがドラマのセリフのパロディや正義の味方(免疫担当細胞)を仮面ライダーで表現したりと楽しく読み進めることができます。中には何のパロディなのか分からないものもありましたが・・・(笑)

根管治療の成功には一つずつのステップは省くことなく確実に行っていくことが必要と感じています。その中には診査・診断、解剖、インスツルメントの使用方法等も含まれます。その重要さを教えてもらえます。最後には外科や再植、経過観察のことまで書かれており、歯内療法のほぼすべてが網羅されています。(今回の本の2冊は題名にあるように根尖病巣を伴う歯内療法をターゲットにしていますので覆罩等の歯髄保存治療や抜髄については書かれておりません。)

1度の読解では理解できないこともあるかもしれませんが私たちは歯科医師は学生ではありませんのでいつでもカンニング(確認)が診療中も可能です。診療中 頭のなかに?が出た時は一度 解剖の章やアクセスキャビティの部分を確認すると答えが出ることもあるとと思います。私もカンニングしまくりです(笑)

歯内療法初心者の先生や苦手な先生は是非読んでみてください。診断・治療コンセプト編だけでも読んでいただけると自分の手技をパワーアップできると思います。