SEC1-0 書き留め(2017年版)

SEC1-0について問い合わせがありましたので私の分かる範囲で書き留めます。(昔のブログと重複する内容です)

コントラですが、ナカニシのVM-Yもしくは カボのイントラヘッド L3Y エンド(3LDSY)の2種類が現在 日本で購入出来るかと思います。ナカニシ製は無注水ですので価格は高いですが注水機能のあるカボをおすすめします。

回転数は15000~20000回転の激高回転で使用します、マニュアルには最大4000回転と書かれていますが無視です(笑)

ファイルはKファイルは#8・10・15の3種類のみ、長さは21・25・28ミリを用意しておけば足りるかと(犬歯などは31ミリが必要な事も時々あると思います) 私はマニーのファイルを使用していますがコントラに装着出来ればどこのメーカーも可能かと思いますが過去にコントラに入らないメーカーも有りました。もちろんファイルは滅菌した、新品ファイルが必要です。特に#8は新品が良いと思います。

使用方法として天蓋除去後、注水下で#8Kファイルで穿通を狙います(下手に他の道具で根管口を広げたりしません。プレカーブも特に必要ありません)。穿痛が出来れば根管外側を削合するように上下運動します。コントラ自体が0.4ミリ幅で上下運動していますので手の動きはゆっくりで構いません。ファイルは根管から出さずに上下運動です。穿通の感覚(抜ける感じ)は慣れてくると手に感じますが不安な場合は、メーターで確認してください。根尖から2ミリ程度出す感じです。私の場合は#8で穿通の感覚があればEMRでアペックスまでの距離を測り、そこから1.0ミリ引いた距離を作業長として作業長から2~3ミリ根尖からだして#8・10・15と拡大して行きます。(#15で穿通が不可の場合はもどって#8・10で再穿通を試みます。)#15以降は作業長をもう一度図り(根管が直線化し長さが変わることもありますので)順次作業長で拡大していきます(拡大に関しては前にも書きましたが人それぞれのニッケルチタンファイルでの拡大で良いと思いますが、抜髄なら6テーパー #35もしくは#40を目標とします。感染根管治療はケースバイケースだと思います。ステンレスファイルでの拡大は#15までです。

*抜髄・感染根管治療ともに麻酔下での治療をおすすめします。根尖から数ミリ出してのグライドパスになりますので疼痛が伴う場合があります。

穿通が確実であれば根管治療の予後に大きく影響すると考えています。患者さんには使用する前にブンブン振動があることを告げてからの方が良いと思います。また模型や抜去歯等で練習してからの方が良いと思います。穿通のコツはファイルを回転させないことです!その意味でSEC1-0が優れている器具だと感じています。

《ボルテックスブルー》 ニッケルチタンファイル ついに日本発売!!

先月からニッケルチタンファイルの《ボルテックスブルー》ファイルがデンツプライからついに日本で発売されました。

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歯内療法マニアからこの数年愛され続けられていましたが、一部マニアックな先生(私もそうですが・・)個人輸入で使用していました。聞いた話では日本のデンツプライの考えから絶対に日本発売されないとも言われていましたがついにこの日が来ました!(デンツプライはたくさんのファイルを扱っているいるためCMが難しいのかも?それとも何か見えない力が・・・)(笑)

ボルテックスブルーの一番の特徴は他のファイルにないしなやかさかと思います。ニッケルチタンファイルなのにプレカーブを付与することが出来ます。また、ファイル名の通りファイルがブルーの色をしておりファイル劣化のレベルが見て把握(メタル色が見えてきます)しやすいと思います。材質の特徴として再度熱処理(オートクレーブ)をすることにより歪を修正し、プレカーブをつけたファイルもまっすぐにもどります。一度、エンドマニアな方は使用してみてください。著名な歯内療法専門医の先生の中には、名古屋のI先生はレシプロ運動付きのエンジン(デンツプライ)で使用したり、アメリカのS先生はヨシダのTFアダプティブファイル用エンジンを使用して拡大・形成されている先生もいらっしゃいます。

*一般の方には意味不明な内容ですみません。あくまでも歯科医師向けの内容です。

歯内療法上部拡大とガッタパーチャポイントの除去について

以下の内容はマニアックな内容ですので一般の方には?な内容となっていますがご了承ください。

根管治療時に根管拡大は抜髄治療でも感染根管治療でもほぼ拡大を行うと思います。そこで歯冠側1/3の拡大にゲーツドリルを使用していたのですが、ある名古屋の有名な先生のセミナーで教えていただいてからエラースケーラー(ナカニシ)にカボのエンドチップ No.68を取り付けて使用します。(もちろんその時々の症例に合わせてゲーツの使用します。)

感染根管治療では、上部のガッタパーチャポイントの除去、抜髄治療では、SEC1-0で穿通後に歯冠側1/3の拡大に使用します。ただし、ストレートのチップのため根管内側に力をかけて拡大すると新品チップだと穿孔しますので注意が必要です(根管は必ず湾曲していることを意識します)外側方向にを意識しながら拡大する必要があります。

その後、感染根管治療の場合のガッタパーチャポイントの除去は感染物質を除去する意味・穿通を行いたい意味でも完全に除去したいところですが、これが難航することがあります。私の場合、おおまかに細い根管用超音波チップを使用しながら無注水で熱と振動により少しずつ取っていきます。(感染が強いほど簡単に除去でき、状況によればマスターポイントあそのまま除去出来ることも少なくありません)

この方法で約8割9割は取れるのですが根尖部のガッタパーチャポイントがなかなか除去できません。乱暴に超音波チップを突っ込むと根尖の破壊を招く恐れがあります。また、ファイルを突っ込むと根尖外にガッタパーチャポイントを押し出す可能性もあります。そこで、根尖付近まで機械的除去にし(1~2ミリ程度残った状態)、根尖部にガッタパーチャポイント溶解剤(色々とありますのでお探しください。私の感覚ではあれが一番良いと思います(笑))を入れ、ペーパーポイントで上下しながら溶解させます。何回か上下していくと数分で溶液が白濁してきます。除去後は溶解剤等を洗い流すためにEDTAで数分間洗浄することが推奨されています。私のレベルではそれでも拡大で見ていくと取れないことがありますので現在、色々と奮闘しております。根尖外に出て閉まっているガッタパーチャポイントは根管内から除去される先生もいらっしゃいますが外科的な治療法が適用なのかもしれません。

歯科治療に革命を起こす「ナノダイヤモンド」 UCLAで研究中

女性たちの憧れであるダイヤモンドが、歯科医療の頼もしい味方になりそうだ。しかし、活躍が期待されるダイヤモンドは、ティファニーの店頭で売っているものではない。肉眼では確認できないくらい小さな微粒子状の「ナノダイヤモンド」だ。

ナノテクノロジーの分野では、カーボン・ナノチューブやグラフェン(炭素原子シート)が有名だが、これまで比較的地味な存在だった塵状のダイヤが今、歯科医療の世界で重要な役割を果たそうとしている。

歯科医療で行われる根管治療では、歯髄を除去後の穴をゴムに似た充填材で埋める。だが、歯髄の摘出後も、小さな隙間で感染症が進むケースもあり、結果的には歯を失う場合もある。従来の充填剤は剛性に問題がある場合もあり、こうした事態を防ぎきれないのだ。

そこで役立つのが合成素材だ。米UCLAの歯学部研究者らはナノサイズのダイヤモンド粒子を精製し、別の素材と合成することで、より頑丈な充填用材をつくることに成功した。研究者らは微生物学者らと共同で、ナノダイヤに抗生物質のアモキシリンを合成する術を編み出した。この方法を用いた治療の結果、治療後の感染症の発生度が格段に下がったことが確認できた。UCLAの研究チームは、今後2年にわたり実験を繰り返し、この技術を完成させていくという。(インターネットニュースより)

根充剤は現在ガッタパーチャが主流です。シーラーを併用する方法が一般的ですが緻密な充填やシーラーの経年的な変化とう様々な問題が指摘され続けていました。しかし、それに変わる材料はありませんでしたが、近年MTAが世にでて歯内療法が変わったと思います。しかし、根充をMTAでしますと再治療が不可、MTAの操作性・価格等も問題が指摘されています。(新しい材料のため長期症例が少ないと思います)今回のナノダイヤモンドが歯内療法にどのような革命を起こすのか楽しみですね(直之)

s-治療例64(110600064)